オフィスのおすすめ防音個室ブースは?
WEB会議でも使えるブースの種類や選び方を解説
オフィスにおける効率的な作業環境構築の1つの要素として、個室ブースが注目されています。Web会議が一般的となった近年、防音性の高い個室ブースが需要を集めており、多くの企業で導入が進んでいます。
個室ブースの設置によって、ワーカーは外部の騒音から解放され、集中力が高まるほか、プライバシーの確保もできます。本記事では、オフィスでの防音個室ブースの選び方や種類について詳しく解説していきます。オフィス環境を改善し、効率的な仕事の推進に役立てましょう。
オフィスの個室ブースとは?
個室ブースとは、Web会議や打ち合わせなどに使用される専用の小部屋のことを指します。近年、オンライン会議の導入が増加しており、それに伴い個室ブースの需要も高まっています。なぜなら、オンライン会議では周囲の騒音や感染リスクを軽減する必要性が高いためです。
個室ブースは、ワークブースやオフィスブースとも称され、またテレカンブースや集中ブース、防音ブース、吸音ブースとも言われることもあります。
個室ブースの主な目的は、オンライン会議の快適な実施です。オフィス環境では周囲の騒音が問題となりうるため、個人が集中して作業するために使用されることも多いです。また、通話時のプライバシーや機密情報漏洩の防止にも役立ちます。
オフィスで個室ブースを使う目的
オフィスで個室ブースを使う目的には、以下のようなことが挙げられます。
- 集中して作業を行いたい
- WEB会議中の音問題
- 会議室の確保
個室ブースはこれらの課題を解決する有効な手段として活用されており、効率的な業務遂行や円滑なコミュニケーション促進に寄与します。
集中して作業を行いたい
近年、個室ブースはその防音性の高さから、Web会議以外にも作業スペースとして利用される傾向があります。株式会社ビズヒッツの調査によれば、仕事に集中できない理由の3位は「音が気になる」という結果があります。
自席では周囲の音や話しかけられることが集中力の妨げとなることがあります。特にオープンなオフィス環境では、雑音や他の人々の会話が頻繁に響き渡ります。これらの要素は仕事への集中力や生産性を低下させる可能性があります。
一方、個室ブースを利用することで、周囲の音に気を取られず業務に集中することが可能です。また、ブース内では他の人々と直接的なコミュニケーションが少なくなりますので、不要な会話も減少します。
WEB会議中の音問題
パソコンさえあればどこでも行える便利なWeb会議ですが、その利便性には問題点も存在します。特に、「Web会議の声が周囲に漏れる」という問題や「周囲の雑音がWeb会議に入り込む」という二つの音の問題が挙げられます。
このような音の問題は、周囲の人々の集中力低下や相手への迷惑といった懸念も引き起こします。ニューノーマルな働き方の実態調査によると、約半数の人が周囲でのWeb会議を「うるさい」と感じた経験を持っていることが分かりました。
そこで、このような音の問題を解決するために、防音性の高い個室ブースが活用されています。個室ブースは、Web会議時における音問題を解決するだけでなく、周囲への配慮やセキュリティ面でも利点があります。
会議室の確保
近年では、Web会議の普及に伴い、多くの企業が会議室不足に直面しています。ニューノーマルな働き方の実態調査でも、自席でWeb会議をする主な理由は「会議室不足」とされています。
個室ブースは、1人から少人数用まで幅広く利用できる特徴があります。狭いスペースに設置可能で、複数の個室ブースを設置することにより会議室不足を解消することができます。
さらに、大人数での会議が減少している場合には、大きな会議室を個室ブースに置き換える方法も有効です。このようなケースでは、大人数が必要な場合に限って共用の大型ブースを利用し、普段は個別のブースで効果的に会議を行うことができます。
また、複数人が利用できるブースは対面打ち合わせや簡易的な会議室としても適しています。会議室を使いたいが大勢で利用する予定はない場合には、ブースを使って必要なコミュニケーションを行うことができます。
オフィスで個室ブースに期待できる防音効果
ブースの防音効果は、ブースの密閉度と素材によって異なります。特に「フルクローズ」タイプのブースは、完全な個室空間を提供し、高い防音効果が期待できます。このタイプのブースは、壁や天井、床などが完全に閉じられており、外部の音や声を遮音する効果が高いです。
一方、「セミクローズ」タイプのブースは、天井がなく一部が開放されているため、防音性能はやや低い傾向があります。このタイプのブースは、ブース内部の音や声が外に漏れる可能性があるため、周囲の環境によっては注意が必要です。
防音性能の高さは、施工の難易度や価格にも影響します。防音性能の高いブースは、より高度な施工技術が必要となり、その分費用もかかります。自社の目的や予算、施工条件を考慮して、最適なブースを選ぶことが重要です。
個室ブースの種類と費用の相場
ここからは、個室ブースの種類と費用の相場について、タイプ別に紹介していきます。
- 壁や天井のタイプ
- 利用人数別のタイプ
個室ブースを選ぶ際には、壁や天井のタイプや利用人数、費用などを考慮して最適なものを選ぶことが大切です。
壁や天井のタイプ
個室ブース壁や天井のタイプには、以下の3タイプがあります。
タイプ | オープンタイプ | セミクローズタイプ | クローズタイプ |
---|---|---|---|
素材 | 強化段ボール、スチール、木など | 強化段ボール、スチール、木、ガラスなど | ガラス、スチールなど |
防音性能 |
× |
▲ |
● |
費用相場 | 約5~30万円 | 約30~70万円 | 100万円以上 |
オープンタイプ
オープンタイプの個室ブースは、一人で集中作業をするために適しているタイプのブースです。このタイプのブースは、前面と左右3方向をパーテーションで囲み、集中しやすい環境を提供します。
オープンタイプの個室ブースは、比較的簡単に設置することができます。そのため、個別の作業スペースや小規模なWeb会議に便利です。また、コスト面でも比較的安価なブースタイプであり、複数台を設置して集中作業エリアとして活用されることも多いです。
セミクローズタイプ
セミクローズタイプの個室ブースは、四方を完全に囲む仕様となっており、音声をカットするのに非常に適しています。そのため、Web会議などで使用する際にも周囲の騒音や外部からの音が気になることなく、集中して業務を行うことができます。
また、セミクローズタイプの個室ブースは後方からの映り込みなどの問題が発生しないため、Web会議中に他の人が通り過ぎてもプライバシーが保たれます。これにより、機密情報の取り扱いや重要な会議の場面でも安心して利用することができます。
クローズタイプ
クローズタイプの個室ブースは、会議や騒音の多い環境で利用される小部屋です。このタイプのブースは、床と四方を囲む壁、天井で外部からの騒音を最小限に抑え、高い防音性能を提供します。そのため、重要な会議や機密情報の共有に特に有用です。
特にWeb会議においては、クローズタイプの個室ブースが大変便利です。機密情報や重要な話題を安全に共有することができますし、外部騒音に影響されず、高品質な音声通信も確保できます。さらに、公共施設やオフィスなどでは、プライバシー保護と騒音対策が求められることが増えており、需要が高まっています。
通常、クローズタイプの個室ブースには空調やモニターなどの設備が備えられており、長時間利用する場合でも快適に過ごすことができます。しかし、コストも比較的高くなりますので、予算に余裕が必要です。
利用人数別のタイプ
利用人数別のタイプには、主に以下の3タイプがあります。
タイプ | 1名タイプ | 2名タイプ | 4名タイプ |
---|---|---|---|
用途例 | WEB会議、個人作業など | 2名での打ち合わせ、個人面談など | 商談、4名までの会議など |
必要スペース | 小 | 中 | 大 |
1名タイプ
個別のオンライン会議や電話対応に最適です。このタイプのブースは、社内外とのコミュニケーションを必要としない作業や、集中力を高めたい場合に特に効果的です。
また、クリエイティブな作業にも適しています。個別の空間で仕事に没頭することができるため、アイデアを考え出すための環境として最適です。
このように、オフィス環境で頻繁に1人で作業する方々が効率的かつ快適に仕事を行うことができるよう設計されています。
2名タイプ
1on1ミーティングや個人面談、2人での打ち合わせなどに最適です。内部の音や声が漏れることなく、外部からの音や声も遮音する効果があるため、参加者同士の話し声が外部に聞こえず、集中して話し合うことができます。
また、2名タイプの個室ブースは1人でも利用可能であり、汎用性が高い点も特徴です。2名タイプのブースは広めのスペースを提供しており、1人でも快適に使えます。
さらに、複数のノートパソコンやタブレットを使用する場合や、大量の資料を確認しながら作業する場合にも便利です。広いデスクスペースと適切な収納スペースを備えているため、必要な機器や資料を整理できます。これにより、効率的に仕事を進めることができます。
4名タイプ
2~4人での会議、打ち合わせ、商談に適しています。多くの4名タイプの個室ブースには、モニターを設置する機能があります。そのため、少人数でのプレゼンテーションやビジネス資料の共有に適しています。モニターを使うことで、情報共有や視覚での効果的なコミュニケーションが可能です。
また、1人で使用する場合でも広々としたスペースを利用することができます。そのため、大量の郵送物の封入作業など、スペースを必要とする作業にも活用することができます。プライベートな空間を確保しながら、集中して作業を行うことができるため、効率的な業務遂行が可能です。
オフィスに個室ブースを設置する際の注意点
オフィスに個室ブースを設置する際の注意点は以下の通りです。
- 使用ルールを決めておく
- 設置場所とブースの寸法に注意する
- 消防法の遵守や防災設備に注意する
これらのポイントをしっかり押さえれば、オフィス内の個室ブースは効果的に活用できるだけでなく、安全性も確保された快適な作業環境を実現することができます。
使用ルールを決めておく
個室ブースは、社員が集中して作業できる環境を提供するために設けられますが、効果的な利用を実現するためにはルールを明確に定める必要があります。
まず、利用目的も明確化することが重要です。特にWeb会議以外の使用については事前に定めておく必要があります。例えば、個人のプライベートな利用や電話応対などの非作業目的での使用を制限することで、効果的な利用を図ることができます。
その他、予約システムの導入や利用時間に上限を設けることも効果的です。オフィス内の個室ブースは限られた数しかないため、多くの従業員が平等に利用できるようなルールを取り入れましょう。
設置場所とブースの寸法に注意する
設置場所とブースの寸法に注意することも重要です。特に組み立て時に必要な作業スペースや、ブースの扉が開く際のスペースなど、以下のポイントに留意する必要があります。
フルクローズ型ブースの場合
まず、フルクローズ型ブースの場合は、組み立て時に必要な作業スペースを確保することが重要です。十分な作業スペースを確保しないと、ブースの組み立てや調整が困難になる可能性があります。また、ブースの扉が開く際も、十分なスペースを確保することで、スムーズな出入りができます。
さらに、天井にある照明やスプリンクラーなどの防災設備と適切な距離を保つことも大切です。また、電源へのアクセス距離も調整しましょう。ブース内で必要な電源を繋ぐためには、適切な距離に電源が確保されていることが必要です。
セミクローズ型ブース場合
セミクローズ型ブースの設置場所に関しては、静かなエリアに設置することを優先しましょう。ブース内で集中的に作業を行うタイプの個室スペースですので、周囲の騒音や混乱を最小限に抑えるためにも、静かな場所を選びましょう。
また、セキュリティ上のリスクも考慮して設置場所を選びましょう。セミクローズ型ブースは壁や扉が一部開放されているため、機密情報などの保護が必要な場合は、適切な対策を講じることが重要です。
消防法の遵守や防災設備に注意する
オフィスに個室ブースを設置する際の注意点として、消防法の遵守や防災設備に関する条件に注意する必要があります。特に、フルクローズ型ブースを設置する場合は、消防法や防災設備に関する条件を満たすことが重要です。
フルクローズ型ブースは「家具」とみなされ、消防法や防災設備に関する以下の条件を満たせば届出や設備工事が免除されます。
床面積が6㎡以下である
まず、床面積が6㎡以下であることが条件の一つです。このため、ブースの広さを確認し、6㎡以下であることを確認しましょう。
天井および壁は不燃材料で仕上げられている
天井および壁は不燃材料で仕上げられていることも条件の一つです。火災発生時に燃え広がる可能性が低い素材であることが求められます。
住宅用下方放出型自動消火装置が設置されている
ブース内に住宅用下方放出型自動消火装置が設置されていることも重要な条件です。万一の火災発生時に、自動的に消火活動が行われることが求められます。
火災を外部からガラスで目視できる
ブース内で発生した火災を外部からガラスで目視できることも条件の一つです。周囲への火災発生の可視性が確保されることで、早期の対応や避難が可能となります。
外に設置されたスピーカーの放送
ブース外に設置されたスピーカーの放送について、ブース内における音圧が65デシベル以上となることも留意すべきです。適切な音量管理を行い、職場環境の安全性を確保しましょう。
オフィスに個室ブースを取り入れて防音対策をしよう
この記事では、オフィスにおすすめの防音個室ブースについて解説しました。個室ブースは、オフィス内でのプライバシーや集中作業、そしてWEB会議などさまざまなシチュエーションで活用できる優れた機能を持っています。
防音個室ブースを選ぶ際には、目的や予算、スペースの計画などを考慮しながら慎重な選択を行いましょう。