事務所移転のお祝いには花がおすすめ?
移転祝いのマナーや贈るタイミングを解説
取引先や知り合いの方が事務所移転する場合、何かお祝いを贈るのが一般的です。しかし、お祝いを贈る際にはマナーがあり、間違えてしまうと悪い印象を与えてしまう可能性があります。
事務所移転のお祝いのつもりが、相手を不愉快にしてしまわないために注意しなければいけないことを確認しておきましょう。
本記事では、事務所移転のお祝いにおすすめの贈り物や、贈るタイミングについて詳しく解説します。
事務所移転のお祝いとは?
事務所移転のお祝いとは、事務所や店舗を移転する際にお祝いを贈ることです。「今後も変わらず継続してお付き合いをお願いします」といった気持ちを込めてお祝い品を贈ります。
ただし、移転祝いにはマナーがあり、マナーを守らないと悪い印象を与える可能性があるため注意が必要です。
また、移転理由が「事務所縮小」や「事業撤退」といった場合はお祝いは不要となります。事務所移転のお祝いを贈る際は、移転理由もしっかり考慮しなければいけません。
事務所移転のお祝いは必ず贈る?
事務所移転のお祝いをする際は、必ず移転理由の確認が必要です。事業が拡大しているならお祝いが必要ですが、移転理由が「事務所縮小」や「事業撤退」といった場合はお祝いは不要です。
また、企業のコンプライアンスなどで移転祝いを禁止している企業もあります。辞退しているかどうか不明な場合は、事前に電話やメールなどで確認するとよいでしょう。
事務所移転のお祝いを贈るタイミング
事務所移転のお祝いを贈るタイミングは、早すぎても遅すぎすぎてもよくありません。理想的なタイミングは、移転前日から移転後2週間以内です。 移転前に贈ってしまうと移転準備で忙しい時期と重なり、取引先の負担を返って増やしてしまう可能性があります。反対に、移転後1ヶ月以上過ぎるとすでに相手はお祝い返しを終えているかもしれません。
もし、どうしてもお祝いが遅くなる場合は、事前にその旨を伝えておくかお祝いメッセージだけ先に贈るのがおすすめです。
事務所移転のお祝いの相場
事務所移転のお祝いの相場は、相手との関係性や会社の規模で決定します。相場としては、重要な取引先なら5万円以上、一般的な取引先なら3~5万円程度です。
事務所移転のお祝いは、自社以外の企業も贈る可能性があるため、見劣りしない品物を贈るのもポイントです。相場よりも明らかに低い贈り物であれば、マイナスなイメージを与えてしまうことにもつながることを考慮しておきましょう。
事務所移転のお祝いには花がおすすめ
事務所移転のお祝いに花を贈っている企業が多いですが、これには理由があります。美しい花を咲かせる姿が、「企業や店舗が今後も発展するように」と縁起的な意味合いが込められているのです。
また、花の種類によっては数ヶ月間咲き続ける花もあり、インテリアの一つとしても喜ばれます。そのため、事務所移転のお祝いに花を選ぶと喜ばれるケースが多いです。
事務所の移転祝いにおすすめな花
ここからは、事務所移転におすすめの花をご紹介します。花の種類やタイプによって、相手に喜ばれる花を選びましょう。
- お祝いの気持ちが伝わりやすい胡蝶蘭
- 手狭な事務所ならアレンジメントや切り花が喜ばれる
- 移転当日に盛大なお祝いをするならスタンド花
- 新事務所で長く楽しんでもらえるのは観葉植物
1. お祝いの気持ちが伝わりやすい胡蝶蘭
胡蝶蘭は、事務所移転のお祝いで定番の花です。花言葉が「幸せが飛んでくる」ということや見た目も華やかでとても喜ばれます。
また、鉢植えには「根付く」という意味もあるため、胡蝶蘭と合わせて「仕事が順調に成長する」縁起の良いお祝い品になるのです。さらに、花が長持ちすることも特徴の一つで、種類によっては2~3ヶ月持つものもあります。
花の数によって金額が変わってくるため、相手との関係性や規模によって決定しましょう。
2. 手狭な事務所ならアレンジメントや切り花が喜ばれる
先ほど述べた胡蝶蘭は、大ぶりで華やかな花として喜ばれる一方、規模が小さめの事務所の場合、置き場所に困ることもあります。贈る前に確認をしておかないと、迷惑になってしまう可能性もあります。
そのため、あまり広くないスペースの事務所には、胡蝶蘭ではなくアレンジメントや切り花がおすすめです。アレンジメントとは、好きな花を切って水を含ませたスポンジに挿して楽しみます。
花瓶に生けると水の入れ替えの手間が発生しますが、アレンジメントならその心配はいりません。イメージに合わせたデザインが可能なので、おしゃれ度が高い贈り物になるでしょう。
3. 移転当日に盛大なお祝いをするならスタンド花
スタンド花とは、高さ1~1.8m前後、幅0.5~1.4m前後の大きなスタンドに、さまざまな種類の花をアレンジしたものです。見た目もとても華やかなため、スタンド花を置くスペースがあるなら喜ばれます。
移転当日にセレモニーを行うなど盛大にお祝いをする場合には、その場を一気に華やかに演出できます。ただし、スタンド花を置くスペースの確保と一週間程度しか花持ちはしないため、贈る際には確認が必要です。
4. 新事務所で長く楽しんでもらえるのは観葉植物
お祝いの品を長く楽しんでもらいたいなら観葉植物がおすすめです。観葉植物は手入れをすれば、枯れることがないため長く楽しめます。
また、葉の緑色がオフィス内に癒しの空間を演出してくれるでしょう。観葉植物のなかでも縁起物として「幸福の木」や「ガジュマル」などはお祝いとしても人気です。
大きさは小さい物から大きな物まであるため、置くスペースの確認をしてから贈るようにしましょう。
事務所移転のお祝いで花以外におすすめな贈り物
事務所移転のお祝いは、花以外でも喜ばれます。この章では、事務所移転のお祝いで花以外のおすすめな贈り物を4つ紹介します。
- 家電・家具
- お菓子
- お酒
- 縁起物
お菓子やお酒の場合、贈る相手の好みの把握も重要となるため、前もって把握しておくのがおすすめです。
1. 家電・家具
新しい事務所では、すぐに必要なものがたくさんあります。例えば、コーヒーメーカーやケトルなど、スタッフみんなが使える実用的な家電や家具は喜ばれます。
インテリアや食器なども新しい事務所を機に、一新して揃えたいという企業も多いでしょう。価格も、一万円前後のものから数万円のものまであり、セットで贈ることもできるため、予算に合わせて選べます。
2. お菓子
社員が多くいる事務所なら、みんなで分けられるお菓子なども喜ばれます。四つ葉のクローバーやフクロウをモチーフにしたお菓子などは縁起も良くお祝いの気持ちも伝わりやすいでしょう。
お菓子は年齢や世代を問わず、幅広い方に喜んでもらえます。経営者の好きなスイーツなどがわかっていればピンポイントで贈るのもおすすめです。
3. お酒
お酒が好きな方が多い企業には、お酒のお祝いも喜ばれます。日本酒やワイン、ビールなどさまざまなお酒の種類があるので、贈る相手の好みに合わせて選ぶのがおすすめです。
価格は数千円~数万円、特別感のある高価なお酒までさまざまです。移転パーティーなどがあればプレゼントとしても喜ばれます。
また、お祝いメッセージや会社の名前、ロゴなどをモチーフにした、オリジナルのシャンパンやワインを作ってもらうこともできます。
4. 縁起物
食べ物や家電といった実用的な物以外では、縁起物がおすすめです。昔から縁起物としてよく知られている招き猫や家を守る鬼瓦、幸福の木などが代表的です。
最近はスタイリッシュでおしゃれな縁起物も多くあるので、インテリアの一つとしても喜ばれる可能性が高いでしょう。
事務所移転のお祝いメッセージを送る場合のマナー
事務所移転のお祝いではメッセージも一緒に送る場合が多いですが、マナー違反にならないよう気をつけましょう。
お祝いのメッセージでは、縁起の悪い言葉の使用は避ける必要があります。例えば、火災や衰退を連想させる言葉は避けた方が無難です。
例えば、「火・燃える・赤・焼ける・煙・灰・失う・減る・廃れる・倒れる・傾く」といった言葉が挙げられます。
贈る相手が嫌な気分にならないよう、配慮は欠かさないようにしましょう。
オフィスや事務所移転のお祝いメッセージ例文
オフィスや事務所移転のお祝いメッセージ例文を紹介します。贈る相手によって、メッセージは変える必要があるため注意してください。
【手紙の例文】
株式会社◯◯
代表取締役社長◯◯様
拝啓
初春の候、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
この度は、新社屋での新たなご出発を心よりお祝い申し上げます。
日ごろの感謝とお祝いの気持ちを込め、ささやかではございますが、心ばかりの品をお贈りします。
貴社がますます御発展されますことを心よりお祈りいたします。
敬具
令和◯年◯月◯日
株式会社◯◯
代表取締役社長◯◯
社員一同
住所
電話番号
【メールの例文】
株式会社〇〇 代表取締役〇〇様
平素より大変お世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。
この度は、事業拡大に伴う新社屋へのご移転、誠におめでとうございます。
これを機に、貴社がますますご発展されますことを、心よりお祈り申し上げます。
メールにて大変恐縮ではございますが、貴社の更なるご成功を祈念し、ご祝詞申し上げます。
*********
署名
*********
【電報の例文】
本社のご移転おめでとうございます。
心よりお祝い申し上げます。
新事務所での新たなご出発、心よりお祝い申し上げます。
ますますご多忙になられることと思いますが、さらなるご活躍とご健勝をお祈り申し上げます。
令和◯年◯月◯日
お祝いメッセージでは、関係性によって異なりますが、一般的にはビジネス文書で書きましょう。
お祝いメッセージは、手紙や祝電を花とは別の業者などから贈ることや、祝電付きの花を注文できる業者もあるため、利用しやすいところを探しましょう。
事務所移転のお祝いを贈る時の注意点
事務所移転のお祝いを贈る際は、贈る相手のことを考えて、以下のことに注意して贈りましょう。
- 造花はお祝いでは避ける
- 事務所の広さに応じてサイズを選ぶ
- 縁起の悪い贈り物は避ける
1. 造花はお祝いでは避ける
造花はお祝いの花としては不向きです。生気のなさを連想させ、企業の成長が止まってしまうイメージにつながりかねません。
同様の理由から、ドライフラワーやプリザーブドフラワーもお祝いには避けましょう。
2. 事務所の広さに応じてサイズを選ぶ
贈った花や観葉植物を置くスペースが十分あるかどうかは確認が必要です。特に、スタンド花や観葉植物などはスペースを取りがちです。
事務所に置くスペースがないのに、贈ってしまうとお祝いのつもりが、返って迷惑になる可能性もあります。贈る相手に、必要であるか、置くスペースは十分確保できるかを確認してから贈るのがおすすめです。
3. 縁起の悪い贈り物は避ける
赤色の花や赤色の包装紙などは火事や赤字を連想させるため、お祝いには適していません。
ただし、赤が企業のイメージカラーやコーポレートカラーの場合は、その旨を伝えることで喜ばれるケースもあります。
事務所移転のお祝いではマナーが大切
事務所移転のお祝いは、適した品物を贈ると大変喜ばれるでしょう。一方で、マナーを守らず贈ってしまうと、良くないイメージを与えてしまったり、返って迷惑がかかったりする可能性もあります。
贈る相手に配慮しつつ、喜ばれるものを選ぶことが大切です。マナーを守りながらお祝いの気持ちを忘れず、長く事務所に置いてもらえそうな物を選びましょう。