事務所移転をするならお知らせが必須!
取引先との関係を維持するためのコツ
事務所の移転の際には、引っ越しや使用機器の移設などを依頼する業者選びや新しい事務所のレイアウト作成、官公庁への手続きなどやらなければいけないことが数多くあります。
このため、当日だけでなく、移転前からたいへん多忙な時期を過ごすことになります。
ただし、やるべきことが多いからといっても、関係各位へ移転のお知らせをしておくことを忘れてはいけません。
そこで、今回は、事務所移転についてお知らせする時期や方法などを具体的に解説します。
事務所移転のお知らせはなぜ大切か?
事務所移転のお知らせを漏れなくすることは、特に得意先や関係取引先、来客などが多い事務所では当然やっておくべき必須の事項となります。
顧客や取引先の人が事務所を訪れたときに、すでに移転した後だったということにでもなれば無駄に足を運ばせてしまったり、相手を混乱させてしまったりすることにもなりかねません。
また、直接の事務所への訪問がなくても、顧客や取引先から発送された郵便物や宅配便をスムーズに受け取ることができなければ、業務に影響を及ぼし迷惑をかけてしまう場合もあります。
このため、郵便物や宅配便のあて名の変更をしてもらうためにも、事前に移転のお知らせを送っておくことは重要です。
また、移転を知らせるということ自体がビジネスでは大切なマナーの1つとされています。
たとえ電話番号やメールアドレスなどが変わらない場合でも、ビジネスである以上、移転する旨を知らせる必要があります。
大切な移転のお知らせを後回しにせずに、きちんと事前に知らせるかどうかで、相手に与える印象が変わることもあるからです。
移転のお知らせをしないようでは、ビジネスのやり取りでも大切な情報を迅速に伝えてもらえないのではないか、と思われるかもしれません。
業務についてもルーズなのではないかと、取引先の信頼を失うことにもなりかねないのです。
このようなことからも、事務所移転のお知らせは必ずしておくべきことと認識しておきましょう。
いつお知らせをする?
移転のお知らせは送ればよいというものではなく、タイミングを計ることも大切です。
移転の1カ月前に相手に届くことを目安に送るようにすると適切なタイミングとなります。
重要な書類のやり取りに影響が出ないためにも、遅くとも2週間前には相手が受け取れるような状態としておくことがベストです。
請求書の送付などの遅延といったトラブルを防ぎ、業務に支障が出ないようにするためにも、なるべく早めに送っておくと安心でしょう。
ただし、過度に早いと、誤配送を招く恐れもあるため注意が必要です。
移転前は何かと多忙であることから、余裕があるうちにとかなり早い時期にお知らせを送ってしまおうと考える人もいます。
しかし、移転後郵便物などが誤って旧事務所へ届かないようにするためのお知らせが、反対に混乱を招いてしまっては良くありません。
事務所の移転がまだ済んでいないタイミングで、大切な郵便物などが新住所へと送られてしまうことは防がなければいけません。
このため、お知らせは早過ぎず遅過ぎずの1カ月前から2週間前くらいを目安にして送るようにしましょう。
また、送る際には、必ず、いつからどこへ移転するのかという内容をわかりやすく記載しておくこともポイントです。
お知らせはハガキでするべき?
顧客や取引先に移転を伝える手段としては、ハガキや手紙を利用することが一般的です。
特に、どのような方法でお知らせしなければいけないという決まりはないため、現在では、メールでお知らせするケースも多くなっています。
ただし、ハガキや手紙など書面で正式にお知らせをしたうえで、さらにメールや電話で伝えると、より丁寧です。
また、取引状況や付き合いの深さなど相手との関係性に合わせて手法を変えるという方法もあります。
たとえば、親しくしている取引先や重要な顧客に対しては封書で送り、請求書などのやり取りを密に行っている実務担当者にはFAXやメールで迅速に連絡しておくというのも一つの方法です。
ただ、どのような相手でも丁寧に対応するに越したことはないため、迷うならメールや電話だけではなく書面でも送っておくほうが無難でしょう。
どんな内容でお知らせをつくる?
ハガキで送る場合、実際にどのような内容でお知らせを作ればよいのか迷うものです。
ただし、事務所移転のお知らせには、一般的なビジネス形式があるため、ポイントをつかんで作ればそれほど難しくはありません。
最初に記載するのは、冒頭の挨拶の言葉です。
「拝啓」や「謹啓」などの「頭語」を入れます。
「謹啓」は「拝啓」に比べて、より丁寧な言葉です。
次に、冒頭の挨拶とセットで時候の挨拶を記載します。
時候の挨拶は季節によって異なるため、移転の時期に合った文章を入れるようにしましょう。
挨拶の後には、ハガキを送る本来の目的である伝えたい内容について書き入れます。
事務所を移転する旨とともに移転の日付などを具体的に記載しましょう。
また、お知らせの最後は、行を改めて、冒頭の挨拶に対する結びの挨拶「結語」を入れることも忘れてはいけないポイントです。
「拝啓」には「敬具」、「謹啓」には「敬白」が結びの挨拶となります。
さらに、改行して案内を送付する年月と「吉日」という文言も忘れずに記入しましょう。
日を明確に書かずに「吉日」としておくのは、お知らせハガキを作成した日と実際の発送日が異なる場合に違和感を覚えさせないようにするためです。
具体的な移転先の住所や電話番号は見やすくするために文中に入れず、「結語」の後、なおかつ発送日や送り主となる事務所名と代表者氏名の前に別途「記書き」として箇条書きで記載します。
印象のいいお知らせをつくるポイント
お知らせハガキは一般的な形式に沿って作ればビジネスマナーとして間違いはありません。
ただし、さらに、2つのポイントに気を付けて作成すると印象のいいお知らせとなります。
1つ目のポイントは、相手の社名や担当者名を具体的に入れることです。
相手に関わらず一斉に作成したと感じさせる「各位」を使用するよりも、丁寧で好印象となります。
2つ目のポイントが改行を有効に活用することです。
適度な改行があることで、重要な部分が一目でわかりやすくなります。
ハガキを受け取る人によっては、業務で毎日大量の郵送物を見なければいけない場合もあるでしょう。
改行がほとんどなくて何が要点かわからない長々とした文章を連ねたハガキは読む人に負担を感じさせることもあります。
読みやすさ、見やすさを考慮して作ることはビジネスでも大切な相手への気遣いです。
取引先を大事にするためには、お知らせが重要!
移転をした先でも取引先との関係は長く続いていくものです。
このため、移転する際にどんなに多忙であっても、相手を尊重して丁寧な移転のお知らせを作成しておくようにしましょう。
どのようなときでも、きちんと対応しておくことが、相手との信頼関係を深めることにもつながり、その後の業務にもプラスに働くこととなります。
移転は、現状よりもより良い条件のオフィスで仕事ができるようになるための効率的な手段です。
オフィス移転のメリットを活かすためにも、きちんと移転のお知らせハガキを送り、取引先や顧客との良い関係を維持できるように心掛けましょう。